日産自動車技術陣とのミーティング。

先日、あるきっかけで日産自動車の技術部門の方とミーティングをする機会に恵まれました。
最近は事業にどっぷり浸かっていた為に、全く関係の無い外の方とミーティングをすることなんてなかったのでとても新鮮で懐かしい気持ちに。


それはいいとして。
お互いの事業開発や商品開発の手法(過去と現在、組織設計など含め)などについて意見交換を行ったのだが、一番違いを感じたのは見ているスパンの違い、そしてそこから来る視点の深さと広さの違い。


弊社は現状の問題、不満から始まり、業界構造をみてその構造的問題点をついて事業化するという流れ。いや、実際本当にそれができているかどうかは脇において。理想ね、理想。


先方は、自動車という商品の特性上、商品サイクルが4年〜6年であり、10年〜15年先の将来を描いて、その時に必要な技術をコーディネートしていく、とのこと。
正確に言うと日産自動車にも、足下の商品を開発する(改良に近い)する部隊もいるし、もっと足の長い研究を行っている部隊もいて、つまり基礎研究と足元の改良と、その中間で諸々研究とコーディネートをする3つの部隊がある、と。いずれも中の技術だけでなく外の技術にアンテナを張りながら。


日産自動車と弊社を比べるのはアレなのだが、ミーティングを通して一つの領域とその周辺に対して研究部隊をフルラインアップで持っている会社と、様々な分野の足元しかみていない会社の視点の深さと広さの違いを感じたわけなんです。


だって、

  • 自動車会社の事業ドメインは、今後は自動車ではなく移動手段というドメインになる。電車と一緒になるかも。

とか

  • そもそも首都高速は50年以内(だったかな?)に全部作り直さなければならなく、その時には今の形や素材ではなくなる、と。その結果、移動手段、そのもの形や構造が劇的に変わり、その時に必要な技術は・・・。

とか、言うわけです、サラッと。


対象は違えど同じように新しいものを生む会社としてすごく大きな隔たりを感じました。
まあだからって「じゃあ長期でトレンドを追いかける部隊を作るか」とか、事業開発部隊をもっともっと強化するか、というのは短絡的だと思うし。
但し、言えるのは事業開発をやる人間は常に「そういう視点」を意識して持ち続ける、ということがまずは大事だということ。まあ、かくいう私もその視点で事業開発はしていませんでしたが(笑。
道は険し、だ。


追伸
当日、来てもらった方々のリーダー格の方。何か技術チームと雰囲気が違うな、しかもメーカーっぽくないなぁ(って俺も昔よく言われたが)、過去に何度も会ったことのある雰囲気を持つヒトだな・・・と思っていたら、最後に「私、リクルート出身です」と。なるほど、と。